糖尿病とEDの関係について解説

薬を処方する医師

EDはそれ単体で発症し、他の病気とは何の関係もない様に思えます。しかし、糖尿病などの疾患が原因で引き起こされるEDもあるのです。このページでは、EDと糖尿病の関係とその原因について詳しくご説明したいと思います。糖尿病患者の方がEDになりやす理由などもあわせて解説します。

糖尿病とEDの関係について

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まずは、糖尿病とEDの関係について見ていきましょう。糖尿病患者の方のED発症率は、健康な方と比較して約2~3倍程度多いというデータがあります。当クリニックでもご相談を頂くことがありますが、実際にこの数値は正確な数字であるという体感がございます。一般的にEDを引き起こす要因として、高血糖・高血糖・高脂質などの生活習慣病は良く上げられる要因です。これらの要因は、加齢による身体機能の衰えなどと同様に、器質性EDと呼ばれます。

実際に糖尿病の患者様がEDを発症した際に、「併発していた他の疾患」を上げてみます。それは動脈硬化・高血圧・虚血性心疾患など、糖尿病と同様に生活習慣病を基礎疾患とした血管や心臓などの病気が
多くありました。もちろん先天的・後天的なものがありますので、一概に生活習慣の乱れが原因とは言えません。しかしデータとしてはこのような傾向が多く出ていますので、糖尿病や動脈硬化などを防ぐための治療や、そのための生活習慣の改善が、結果として「EDを防止することにもつながる」ということが推測できます。

糖尿病はなぜEDになりやすいのか?

ではなぜ、糖尿病患者の方はEDになりやすいのでしょうか?それには、EDが引き起こされるメカニズムが関係しています。そのメカニズムをざっくりとご説明すると、通常健康な成人男性の場合は、性的興奮を感じると神経信号が伝達されて、陰茎に血液が流れ込むことで勃起状態になります。ED治療薬には、この勃起状態を解除してしまう「PDE-5」という酵素の働きを妨害する役割と、陰茎への血液の流入を増やすための血管拡張作用の2つの役割があります。

糖尿病になると、血液中の血糖値が大幅に増加します。そのため、血液の流れる血管がダメージを負うことになります。すると血管が「動脈硬化」と言われる状態になってしまい、血流が滞ったり、血管が詰まってしまうようになります。この血流の流れが悪くなることが、先に述べた陰茎への血液の流入を阻害するようになり、結果として「糖尿病はEDになりやすい」という状態に至るわけです。当然ながら動脈硬化はED症状だけに影響する訳ではありません。脳梗塞などの血管障害や糖尿病性網膜症などの神経障害の原因になる怖い疾患です。

糖尿病が原因のEDに対する対応方法

糖尿病患者の方がEDになりやすい理由がお分かりいただけたところで、次にその対応方法についてご説明します。当然糖尿病の治療は開始しているものと思われますが、そもそも糖尿病の症状改善がそのままED症状の改善に繋がるところもあります。あわせてご確認ください。

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血糖値コントロールを徹底する

糖尿病の方は当然意識していることだとは思いますが、まずは血糖値コントロールを行うことが重要です。動脈硬化や複数の合併症などを併発することを防ぐためにも、絶対に必要な対応です。この血糖値コントロールを行う場合は、HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)の数値を目標数値以下まで下げることを意識します。

  • 血糖値コントロールの目標値
  • 確認項目 HbA1c
  • 血糖値の正常化を目指す場合 6.0%未満
  • 合併症を予防する場合 7.0%未満
  • 治療が難しい場合 8.0%未満

以上の数値が血糖値コントロールの目標となります。この数値目標以下に収まるようにコントロールしていくことが重要です。これ以降のお話は糖尿病治療のお話になってきますので、専門医療機関を受診して治療を行っていきましょう。重要なのは、定期的な健康診断などでご自身の体調を日々管理していくことです。もし何らかの疾患に罹ってしまうことがあっても、早期発見が出来ればすぐに対応できます。

ED治療薬のを投薬治療する

EDのみを治療するのであれば、ED治療薬を投薬治療することで改善することができます。ただし、ED治療薬を服用することで改善できるのは「ED症状のみ」です。糖尿病の改善とは関係ありませんので、
そちらは専門医療を受診するようにしてください。

正規のED治療薬には3種類あります。登場した順に、バイアグラ・レビトラ・シアリスです。それぞれの特徴を下記にまとめました。

薬名バイアグラレビトラシアリス
効果勃起状態の維持をサポート勃起状態の維持をサポート
勃起状態の維持をサポート
規格25mg / 50mg5mg / 10mg / 20mg5mg / 10mg / 20mg
効果の持続時間約5時間約5〜10時間約24〜36時間
内服方法服用間隔は24時間以上空ける服用間隔は24時間以上空ける服用間隔は24時間以上空ける
食事の影響受けやすい受けづらい受けづらい

糖尿病が原因のEDはしっかりした治療で根本的な改善を

以上、今回は糖尿病とEDの関係についてご説明いたしました。簡単にまとめると、糖尿病になることで血液中の血糖値が増え、動脈硬化などになることで血流が滞るようになります。すると陰茎への血液の流入も阻害され、結果としてED症状も併発するようになる、という流れです。

EDも深刻な問題ですが、まずは糖尿病の治療を第一に考えましょう。血糖値をコトールし、その他の合併症になってしまうことを防ぎましょう。糖尿病の症状が改善してくれば、ED症状にも好影響です。
ED症状についてなるべく早めに改善したい場合は、ED治療薬を投薬治療しましょう。糖尿病の治療とは関係ありませんが、ED症状については効果が実感できるはずです。有効な治療を並行して、どちらも改善にむけてがんばりましょう。