頭皮の血行を改善して発毛を促す効果のあるミノキシジルですが、使用し始めてしばらくすると、髪の抜け毛が増えたように感じる時期があります。AGA治療をおこなっているのに抜け毛が増えると焦ってしまいますが、これは「初期脱毛」と呼ばれる症状であり、不安に感じる必要はありません。ここで焦ってミノキシジルの使用を中断してしまうと、またAGAの症状が進行してしまうますので、治療を継続しましょう。今回は、ミノキシジルと初期脱毛の関係について発症期間なども含めて詳しく解説していきたいと思います。
初期脱毛について
初期脱毛とは、ミノキシジルなどのAGA治療薬を使用し始めた際に見られる、一時的に抜け毛が増えたように感じる時期のことです。AGA治療を使用し始めて2~3週間程度で現れることが多く、実はよく見られる症状です。ではなぜ治療をおこなっているのに抜け毛が増えるのかと言うと、それは髪のヘアサイクルが関係しています。ヘアサイクルとは、髪が生えてから成長し、抜け落ちるまでの一連のサイクルのことで、AGA治療薬の効果はヘアサイクルの循環の中で徐々に効いてきます。
ミノキシジルの作用でそれまで乱れていたヘアサイクルが整い始め、古くて細い毛が抜け落ちて新しい毛が生えてきます。このヘアサイクルの初期段階で、一時的に古い毛が抜ける状態が「初期脱毛」です。副作用などではなく、治療薬の効果が効いている証拠ですので、焦らずそのまま治療を継続しましょう。
初期脱毛の期間について
初期脱毛はAGA治療薬の使用を開始してから2~3週間程度で見られるようになります。その後、1~2ヶ月程度の期間続くことが多いようです。長い方では3ヶ月ほど続く方もいらっしゃいます。初期脱毛の期間については個人差があり、そもそも脱毛症状が見られない方もいます。AGAの原因自体が個人差のあるものですので、このあたりはバラつきがあると言えます。しかし、前述の通りこれは効果が効いて、乱れていたヘアサイクルが正常に整ってきている証拠ですので、安心して治療を続けてください。逆にここで治療薬の使用をやめてしまうと、またAGAの症状が進行してしまいます。
その他のAGA治療薬と初期脱毛
ミノキシジル以外にも、プロペシアやザガーロなどのその他のAGA治療薬でも初期脱毛は見られます。
これは、各治療薬の効果が全て髪のヘアサイクルの循環の中で徐々に効いてくるからです。有効成分はそれぞれ違うのですが、改善のフローが同じであるため、全てのAGA治療薬で同じような初期脱毛症状が発生します。
ミノキシジルは、頭皮の血行を良くして毛母細胞に栄養が届きやすくすることで、発毛を促す効果があります。プロペシアやザガーロなどの治療薬は、AGAの原因物質であるDHT(ジヒドロテストステロン)を生成する「5αリダクターゼ」の働きを阻害することで、AGAの進行を食い止める効果があります。このように、その作用には明確な違いがあるにも関わらず、同じような初期脱毛症状が起こるというのは、その効果がヘアサイクルと連動している証拠です。
ミノキシジルとプロペシア・ザガーロは、併用することでさらに効果を実感できるようになる場合もあります。ご自身のAGA症状や体質などを考慮して医師が提案してくれると思いますので、併用も検討すると良いでしょう。
初期脱毛症状が終わらない場合は
初期脱毛はあくまで治療を開始した初期に起こる脱毛症状です。通常、1~2ヶ月で終了し、徐々に発毛の効果を実感できるようになってくるはずです。しかし、稀に「初期脱毛が終わらない」というご相談を頂くことがあります。これは、個人差による違い以外にも、いくつかの終わらない原因がある場合がありますので、ご紹介します。
そもそもAGAではない
医療機関や専門クリニックを受診して頂いていれば、処方の段階で判断できますが、有効成分量が少ないミノキシジルは一般のドラッグストアなどで市販もされているため、「そもそもAGAではない」という状態に気づかないまま使用を継続している方もいいらっしゃいます。
例えば、一般的に多いのは「円形脱毛症」などの脱毛症状です。円形脱毛症は、ストレスなどの原因により自立神経などがみだれることで一時的に髪の毛が円形に抜けてしまう症状です。この場合、原因はAGAとは根本的に異なりますので、ミノキシジルなどのAGA治療薬を使用しても効果は見込めません。
それよりも、診療内科や精神科などを受診してメンタルヘルスの改善に努めて、根本的な改善を目指しましょう。
頭皮に合っていない
ミノキシジルには頭皮に塗布する外用薬と、服用するタイプの内服薬(ミノキシジルタブレット)が存在します。一般的にミノキシジルと言うと外用薬を指すことが多いのですが、この頭皮に塗るタイプの場合、患者様の肌質によっては合わずに炎症などを起こしてしまうケースがあります。こうなってしまうと、本来の効果よりも炎症によるマイナスの方が大きくなってしまい、栄養を届けるはずの毛母細胞にもダメージが及んでしまいます。
そういう場合は、根本的にミノキシジルの外用薬が合わないということになりますので、使用を中断して医師に相談するようにしましょう。内服薬(ミノキシジルタブレット)に切り替えるというのも一つの方法です。
効果が効きづらい箇所の可能性
ミノキシジルのような外用薬の場合、効果が効きやすい箇所とそうでない箇所があります。たとえば、頭頂部などの薄毛にはミノキシジルは有効ですが、前頭部から生え際にかけては頭皮が硬く成分が浸透しづらいこともあり効果が効きづらいケースがあります。また前頭部から生え際にかけてはAGAの原因が異なることもあり、ミノキシジル単体よりは、プロペシアやザガーロなどの別のAGA治療薬と併用する方が効果を実感し易いでしょう。自己判断で治療をおこなっている場合は、最適な治療薬について医師に相談するようにしましょう。
初期脱毛は心配いりません!効果が効いているという証拠です!
以上、ミノキシジルと初期脱毛の関係について発症期間なども含めて解説させていただきました。初期脱毛はAGA治療開始後に一般的にみられる症状ですので、過度に心配する必要はありません。そのまま治療を継続してください。AGA治療薬はヘアサイクルの循環の中で作用するため、その効果を実感できるまでにタイムラグが存在します。そのため、最低でも6ヶ月程度は仕様を継続して様子を見る必要があります。
もし、それでも効果が実感できない・肌質に合わないという場合は、使用を中断して医師に相談するようにしましょう。ミノキシジルは正しい方法でしっかりと治療を継続すれば、高い効果を実感出来るようになります。初期脱毛を乗り越えて、まずは半年程度は治療を頑張ってみましょう。