フィナロ(Finalo)はインドで製造されているプロペシアのジェネリック医薬品で、プロペシアと同様の有効成分「フィナステリド」を含んだ治療薬です。しかし日本国内では未承認であり、医療機関でも処方されることはありません。安全性に関するデータが不透明なことから、服用には危険性が伴います。今回は、この未承認AGA治療薬「フィナロ(Finalo)」について解説します。効果や危険性についてもご紹介しますので、購入を検討してる方は注意してください。
〇フィナロ(Finalo)について
フィナロ(Finalo)は、プロペシアと同様の有効成分「フィナステリド」を含んだAGA治療薬です。インドのグジャラート州に拠点を置くインタス社(Intas Pharmaceuticals Limited)によって製造・販売をされています。日本国内では未承認であり、医師から処方されることはありません。
フィナロ(Finalo)以外にも、インド製のプロペシアジェネリックは複数あり、世界中に流通しています。しかし、そのどれもが日本国内では承認されていません。このような、一部の海外製非正規ジェネリック医薬品が国内で承認されないのには理由があります。
通常医薬品が承認されるためには、厚生労働省に対して臨床試験などを通して安全性を証明するデータを提出する必要があります。しかしインド製などの海外製の非正規未承認薬にはこの安全性を担保するデータがないのです。そのため国内では未承認のままであり、入手経路はインターネット通販などに限定されます。正規品のAGA治療薬に比べて価格は安くなりますが、非常にリスクの高い製品であることも覚えておきましょう。
フィナロ(Finalo)情報詳細
製造元 | インタス社(Intas Pharmaceuticals Limited) |
有効成分 | フィナステリド |
生産国 | インド |
国内承認の有無 | 国内未承認 |
製造元はインタス社(Intas Pharmaceuticals Limited)
インタス社(Intas Pharmaceuticals Limited)はインド北西部グジャラート州に本社を置く世界的な製薬会社です。インド・イギリス・メキシコなどで医薬品の製造を行っています。現在は85ヶ国以上の国と地域で事業を展開しており、フィナロ(Finalo)を始めとした各種ジェネリック医薬品も多く取り扱っています。
フィナロ(Finalo)の有効成分について
フィナロ(Finalo)の有効成分は「フィナステリド」で、これは先発医薬品のプロペシアと同様です。そのため効果も同様で、AGA(男性型脱毛症)の原因物質であるDHT(ジヒドロテストステロン)の生成を阻害する働きがあり、結果的にAGAの進行を遅延させる効果が期待できます。
有効成分そのものは同様であり、この1点のみで比較すれば価格の安さは魅力的に見えます。しかし、日本国内で承認されていないことの意味をしっかりと考えましょう。安全性が担保されていないということは、服用した結果どのような健康被害にあうか分かりません。さらに偽物の偽造薬のリスクも高く、効果が無いだけならまだマシで、重篤な副作用を引き起こす可能性もあるのです。
フィナロ(Finalo)の副作用について
フィナロ(Finalo)の有効成分はプロペシアと同様の「フィナステリド」です。そのため、副作用に関しても同様です。プロペシアは本来副作用の少ない安全な薬として人気があります。有効成分のフィナステリドの副作用は非常に少ない例ですが、一部報告されています。以下がその一覧となります。
フィナロ(Finalo)の副作用
副作用 | 主な症状 | 症状発生の確率 | |
性機能障害 | ・性欲激減 ・勃起不全 | 約0.7% | 専門医への相談 |
肝機能障害 | ・だるさ ・皮膚への黄疸出現 | 約0.2% | 血液検査、医師相談 |
性機能障害に関しては、男性ホルモンに作用する効果が影響している可能性が指摘されています。そのため、少ない例ではありますが、性欲減退やED(勃起不全)などの症状が報告されています。ただし非常に稀な例ですので、基本的にはあまり頻繁に起こる症状ではありません。万が一性機能に関する異変を感じたら、服用を中断して医療機関を受診するようにしましょう。
同様にごく稀にですが、重篤な副作用として肝機能障害があった例が報告されています。これは、フィナステリドの成分が肝臓で分解されることに由来していると考えられます。そのため肝臓に一部負荷がかかってしまい、肝機能障害として現れると推測されています。ただし、性機能障害よりもさらに低い確率ですので、何らかの症状が出ない場合はこちらもあまり気にしなくてよいでしょう。もし肝臓の数値など明確な異変があった場合は、同じく服用を中断して医師の診療を受けてください。
フィナロ(Finalo)の偽造薬の危険性について
では次に、フィナロ(Finalo)の偽造薬の危険性についてご説明します。国内未承認のフィナロ(Finalo)は、医師から処方されることはありません。そのため、インターネット通販などを通じて個人輸入と言う形で購入する方法が一般的です。このような医薬品の個人輸入自体は違法ではありません。しかし国内で承認されないこと、そして流通の過程で偽物の偽造薬が混入するリスクがあります。
インターネット通販などで販売されている海外製の非正規未承認AGA治療薬は、偽装薬の危険性がかなり高いのです。もし購入したフィナロ(Finalo)が偽造薬であった場合、効果が無いだけならまだマシで、重篤な副作用を引き起こす可能性もあります。そもそも本物のフィナロ(Finalo)であっても、安全性が証明できないために「未承認」であることの意味をしっかりと考えましょう。そのため、このようなインターネットを通じたAGA治療薬の購入はお勧めできません。
WHO推薦の海外製偽造薬の見分け方
現在このような海外製の偽造薬の被害が増加しており、WHO(世界保健機構)も警鐘を鳴らしています。実際に流通経路を把握するためのバーコードによる薬の管理など、ハード面での取り組みも進められています。では、そのWHOの報告に基づいた海外製偽造薬の見分け方のポイントをご紹介します。
WHOの報告による偽造薬の見分け方
パッケージの状態
- パッケージ記載内容のスペルミス、文法の誤り
- 製造日と有効期限の記載が外側・内側のパッケージでも同様か
- 薬の変色、劣化、異臭がないか
- 明らかに安すぎる価格設定の薬
以上が、WHOの報告に基づいた海外製の非正規偽造薬の見分け方のポイントです。基本的なことではありますが、外見の違和感はそのまま偽造薬のリスクに比例しますので、有効な方法です。ただし、近年その精巧さは高くなっていますので、大前提として非正規のAGA治療薬は利用しないということを覚えておいてください。
未承認薬では国の救済制度を受けることが出来ない
もう一つ、海外製の非正規偽造薬の危険性について触れておかなければならないことがあります。日本に暮らしていて、安全な医療制度や医薬品に囲まれているとあまり意識することはありませんが、承認されている正規の医薬品を利用して万が一何らかの健康被害にあっても、国による救済制度を受けることが出来るのです。これは、「医薬品副作用被害救済制度」と呼ばれる制度で、治療費や仕事が出来なかった期間の補償を受けることができるため、医師から処方される正規の医薬品に関しては、安心して利用することが可能です。
しかしこのフィナロ(Finalo)のように日本国内で承認されていない治療薬は、安全性の証明に関するデータが不足しているため、この救済制度を受けることが出来ません。つまりは何があっても自己責任となってしまいます。安い価格にひかれて購入を検討している方も、この安全性のリスクがあることは理解しておいてください。
安全な承認済みのプロペシアジェネリックについて
このような危険な海外製の非正規未承認AGA治療薬を利用せずとも、しっかりとした正規製薬会社のプロペシアジェネリックが存在します。2015年に製造・販売が解禁されたプロペシアジェネリック(フィナステリド錠)は、正規製薬会社の正規AGA治療薬です。複数の製薬会社によって製造されており、先発医薬品であるオリジナルのプロペシアと効果は同様で、価格は安く抑えれています。
確かに最も安い価格を追求すれば海外製の非正規未承認薬に行き着きますが、わずかな価格差とは安全性が釣り合うものではありません。プロペシアを経済的に利用したい場合は、正規製薬会社のプロペシアジェネリック(フィナステリド錠)を利用しましょう。
未承認AGA治療薬のフィナロ(Finalo)は危険です!正規品のプロペシアジェネリックで安心安全に治療を継続
以上、未承認AGA治療薬のフィナロ(Finalo)についての解説でした。フィナロ(Finalo)を始めとしたインド製の医薬品が日本で承認されない理由や、その安全性への意識がお分かりいただけたかと思います。インターネットを通じて医師の処方も無く薬を購入するということは、何が起きても自己責任ということです。実際に過去には生命に関わる重大な事故なども起こっています。費用負担について軽くしたいという方は、正規製薬会社の正規品のプロペシアジェネリックの利用をお勧めします。
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