薄毛と自慰行為の関係について

薬を処方する医師

聞いたことがある方もいらっしゃるかもしれませんが、今回は「自慰行為をし過ぎるとハゲる」というお話について解説していきたいと思います。少し俗っぽい響きがしますが、実際に全くの都市伝説という訳でもなく、このような話が流布するに足る理由も一応存在します。AGA治療において、正しい情報を理解することも重要ですので、その内容を詳しく見ていきましょう。

自慰行為で薄毛になってしまう原因

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このような話が広まるにあたり、もっともらしい理由が付随していることがあります。よくあるものとして、大きく2種類存在するようですので、それぞれご紹介します。

自慰行為によってタンパク質が不足する

毛髪の構造として、3層のたんぱく質構造で出来ており、このたんぱく質は当然食事などから摂取した栄養で作られています。そしてこの構造が、噂としての「射精によってたんぱく質を放出するため、毛髪用のたんぱく質が不足する」という点につながります。この理屈付けは、「自慰行為で身長が伸びなくなる」のような他の噂の理由として用いられることもあり、口伝で伝わるにつれて色々な派生の話が存在することが推測されます。なんとなく「もっとも」に聞こえる点が、信憑性を高めているのかもしれません。

では、この説は正しいのかと言うと、ハッキリと間違いであると言えます。精液には確かにたんぱく質が含まれており、射精によっていくらかのたんぱく質が体内から放出されること自体は事実です。しかしその量はごく僅かで、毛髪の薄毛に影響するほどのたんぱく質が失われることはありません。医学的な見地から見ると、あまりに大雑把な説なのですが、何となく納得できそうな理由が付いていることが、噂として広まるポイントなのかもしれません。

自慰行為によって男性ホルモンが増加する

薄毛(AGA)の要因の一つとして、男性ホルモンの影響があります。これ自体は間違いないことです。
実際に、テストステロンという男性ホルモンが、5αリダクターゼという物質とが結合して、DHT(ジヒドロテストステロン)が生成されます。

さらにこのDHT(ジヒドロテストステロン)と毛乳頭にある男性ホルモン受容体が毛号することで、脱毛因子が増加し、毛乳頭に対して早期脱毛の指示を出してしまうことで髪が抜けてしまいます。この作用によりヘアサイクルが乱れ、若い毛が育たないうちに抜けてしまうことで薄毛(AGA)が加速していきます。

ですので、男性ホルモンであるテストステロンが、薄毛に関係あること自体は間違いありません。
ただし、自慰行為によって薄毛になるほど増加する事実もありません。そのため、もっともらしく聞こえても、この説も間違いであると言えます。

薄毛の本当の原因とは

男性型脱毛症は、いわゆるAGAと呼ばれる症状のことです。AGAを発症すると、いわゆる髪の「ヘアサイクル」が乱れてしまいます。通常、「成長期」と呼ばれる期間に髪は成長するのですが、ヘアサイクルが乱れることで、この成長期が著しく短くなってしまいます。そのため、通常太く長く育つはずの毛髪が、成長の完了を待たずに若い毛のうちに抜けてしまい、これを繰り返すことで、どんどん髪が薄くなってしまうのです。

自分で何とかすることは難しく、適切な治療薬の投薬によって、AGA症状進行の遅延と新しい毛髪の成長促進を並行して行うことで、進行をコントロールする方法が一般的です。

AGAの治療方法

AGA治療薬には3種類あり、これらを適切に使用して治療を行っていくことになります。プロペシアとザガーロは、AGAの進行を遅延させ、ヘアサイクルを整える効果のあるAGA治療薬です。一方、ミノキシジルは、新しい毛髪の成長を促進させ、髪の毛を生やすための治療薬です。どちらか一方というよりは、この作用の違う2つのタイプのAGA治療薬を併用しながら、AGA症状の改善を目指す治療が一般的です。

情報は正しく理解して安心安全なAGA治療を

以上、自慰行為の及ぼす薄毛への影響のお話でした。このように、AGAやEDなど、その症状に対して悩まれている患者様が多いものほど、信ぴょう性の疑わしい噂話が流布する傾向にあります。一見もっともらしい説明とセットになっていることがおおいので、何となく信じてしまいそうになりますが、医学的に見るとなんの根拠もないような話がほとんどです。実際に治療を行う場合は、このような噂話に惑わされないよう、正しい知識を理解するように意識しましょう。

自分で調べたり、対策を取ろうとしていると、不正確な情報に行き着くことが多いと思います。
薄毛やAGAでお悩みの場合は、まず専門の医療機関を受診して、正しい改善の方法を説明してもらうようにしましょう。