未承認のレビトラジェネリックであるバリフ(Valif)について解説

薬を処方する医師

このページでは、未承認のレビトラのジェネリック薬である「バリフ(Valif)」について詳しく解説したいと思います。バリフ(Valif)はインドのアジャンタファーマ社(Ajanta Pharma Ltd)で製造・販売されているED治療薬です。

レビトラと同様のバルデナフィルを有効成分としており、世界中に流通しています。価格の安さで人気がありますが、日本では承認されておらず、医師から処方されることはありません。なぜ承認されないのか、どのようなリスクがあるのか、見ていきましょう。

バリフ(Valif)の詳細について

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バリフ(Valif)はレビトラと同様のバルデナフィルを有効成分とするED治療薬です。レビトラのジェネリック薬であり、インドに本社があるアジャンタファーマ社(Ajanta Pharma Ltd)が製造・販売を行っています。一見何の問題も無いように見えるレビトラジェネリックですが、様々なリスクがあるため、日本の厚生労働省からは承認されていません。そのため未承認の非正規ED治療薬というカテゴリーになります。

バリフ(Valif)の詳細一覧

製薬会社アジャンタファーマ社(Ajanta Pharma Ltd)
有効成分バルデナフィル
生産国インド
国内承認の有無国内では未承認

ジェネリック薬を多数製造しているアジャンタファーマ社

多くのED治療薬のジェネリック薬が製造されているインド産で、アジャンタファーマ社(Ajanta Pharma Ltd)はその他にもタダリスやカマグラなどのジェネリックED治療薬の製造・販売を行っています。インドやその他の一部の国々で生産されたジェネリック薬が承認されないのは、安全性を担保するための臨床試験などのデータが不足しているからです。日本の基準では許可できないレベルの安全性しか担保されておらず、さらには流通経路も不透明で偽造薬の危険性もあります。

このアジャンタファーマ社は、過去にレビトラの製造販売元であるバイエル薬品工業から、特許の侵害を理由に訴訟を起こされたこともあり、このような倫理観や医薬品への規制の緩さが、安価なジェネリック薬製造の一大拠点となっている背景があります。

バリフ(Valif)を服用することのリスク

まず、日本で承認されていないというリスクの大きさを考えましょう。ジェネリックのED治療薬として日本の厚生労働省に承認されるためには、臨床試験などで安全が証明されたというデータが絶対に必要です。インドを中心に製造されているジェネリックED治療薬には、このようなデータがまずありません。そのため、日本の医薬品の感覚で利用すると、どのような重篤な副作用の危険があるか分かりません。

日本で承認された正規のED治療薬を購入するには、必ず医師の処方が必要です。この際、バリフのような非正規薬は処方されることはありません。ではどこで入手するのかというと、それはインターネット通販などの流通経路になります。ネットで購入すれば診療も処方もいらず、価格も安く手に入ります。そのため、利用する方が後を絶ちません。

しかし、ネットで購入する非正規のED治療薬には多くの危険が潜んでいます。大手製薬会社4社が共同で行った調査によると、インターネットで流通しているED治療薬のうち、その55%以上が偽物の偽造薬であったという報告があります。これは、効果が無いだけならまだマシで、中には重篤な副作用の危険があるような薬も多く存在します。

バリフもリスクの高さは同様で、この安全性を犠牲にした上に安い価格があることも、覚えておいてください。

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未承認薬では国の救済制度を受けることが出来ない?

国内で承認済みの治療薬を服用して、万が一健康被害にあっても、国による救済制度を受けることが出来ます。「医薬品副作用被害救済制度」と呼ばれる制度で、治療費や仕事が出来なかった期間の補償を受けることができるため、安心して薬を服用することが出来るのです。

しかしこのバリフのように日本の厚生労働省に承認されていない治療薬は、安全性が担保されていないため、この救済制度を受けることが出来ません。つまりは何があっても自己責任となってしまいます。ある程度安い価格であることを込みで考えたとしても、あまりに高いリスクと言わざるを得ません。

バリフ(Valif)とレビトラの比較

薬名バリフ(Valif)レビトラ
有効成分バルデナフィルバルデナフィル
国内承認の有無未承認承認
製造国インド日本製もあり
効果勃起状態をサポート勃起状態をサポート
入手経路インターネット通販など医師による処方

日本国内でのレビトラジェネリックの販売開始

バリフのようなリスクの大きなレビトラジェネリックが一定の人気を誇っていたのには理由があります。レビトラはもともとドイツのバイエル薬品が製造・販売していましたが、実は長期間にわたって安定した供給が出来ておらず、その後2021年11月に製造元のバイエル薬品が、販売中止のお知らせを公開しました。

このような正規のレビトラの供給不安定が未承認のジェネリック薬が流通する原因でもありました。しかし、2020年7月に日本国内でも正規のレビトラジェネリックである「バルデナフィル錠」が販売解禁になりました。

このバルデナフィル錠は、オリジナルのレビトラと効果はほぼ同じで、価格はジェネリック薬のため安く抑えられています。多くの製薬会社数社が製造・販売しており、危険な海外製の非正規レビトラジェネリック薬を利用する必要は無くなったと言えます。

バリフ(Valif)は未承認の非正規ジェネリック薬です!安全な正規品のレビトラジェネリックを利用しましょう

以上、インド産の未承認レビトラジェネリックであるバリフとその服用のリスクについてご紹介しました。安全性が担保されていないため、安価であっても安易に利用しないことが重要です。効果が無いだけならまだマシな方で、生命に関わるような深刻な副作用の危険性もあります。

これまではオリジナルのレビトラの供給不安定が、未承認ジェネリック薬の人気の背景としてありました。しかし、2020年から日本国内でも正規のジェネリック薬の製造が解禁され、このような危険な ED治療薬を医療する意味もありません。わずかな価格差で健康被害を受けるリスクをとることは、どう考えても割に合いません。レビトラのジェネリックは信頼のおける正規製薬会社の正規ジェネリック薬を利用しましょう。