ED（勃起不全）治療に関して最も効果的な対策は、やはりED治療薬の服用です。しかし、健康上何の問題も無く、バイアグラやシアリスなどの治療薬が服用出来る方はいいのですが、中には持病の関係上、ED治療薬が服用出来ないという患者様もいらっしゃいます。そのような患者様におすすめなのが、「陰圧式勃起補助具」です。今回は、ED治療の選択肢のひとつである、陰圧式勃起補助具について解説していきたいと思います。

陰圧式勃起補助具とは

陰圧式勃起補助具は、ED治療薬に次ぐEDの治療選択肢です。ED治療薬であるPDE-5阻害剤が効かない神経疾患によるEDの患者さんや、狭心症などの治療で硝酸剤や一酸化窒素供与剤などPDE-5阻害剤の禁忌薬を服用している患者さんに推奨されています。

陰圧式勃起補助具は、「擬似的に勃起させる」ために使用する器具です。まず、円形のプラスチック製チューブに陰茎を挿入し、付属のポンプでチューブ内を加圧します。すると、ペニスに血液が流入し、勃起が誘発されます。しかし、この状態でペニスをチューブから外すと血液が逆流して勃起が終わってしまうため、ペニスの根元に輪ゴムを巻いて血液を固定することで勃起状態を維持させます。チューブを外して性交をすれば完了です。

陰圧式勃起補助具の長所と短所

陰圧式勃起補助具の長所としては、まず勃起状態を達成する成功率の高さがあげられます。90%以上の高確率で勃起状態にすることが出来ると言われていますので、その効果には信頼が置けると言えます。
構造が非常にシンプルであり、それゆえ故障なども起こりにくく、メンテナンスフリーである点もメリットと言えるでしょう。

そして、今回のテーマでもある、一般的なED治療薬を服用出来ない患者様でも問題なく使用できる点、これが何といっても最大のメリットです。服用しませんので、当然ながら副作用について悩む必要もありません。

また、この陰圧式勃起補助具は、必ずしもED治療薬が服用出来ない方のみしか使用できない訳ではありません。実際にED治療薬を服用されている患者様でも、この補助具を併用することでより高い勃起力維持効果が見込めます。

では、次に短所についてもご説明します。まず、勃起状態を維持するためのゴムでの血流の固定が、性行為の満足度を下げてしまうことがあります。パートナーへも説明が必要で、そういった点をハードルと考えるならばデメリットとなるでしょう。またこのゴムでの固定は、血流を留める状態の維持ですので、陰茎の痛みやしびれ、出血などを伴う場合もあります。

いずれにしても、よく使い方を理解し、パートナーへも理解を求めるという点で、一定の難しさはあると言えます。

取り扱いメーカー

この陰圧式勃起補助具ですが、日本で医療器具としての使用認可がおりているものには、

• ツムラ社製の電動式ポンプ「リテント」
• 三井ヘルス社製の手動式ポンプ「カンキ」
• アメリカのベトコ社製の手動式ポンプ「ベトコ」

などがあります。これらはいずれも「医師の処方のもと」で購入することが可能です。通常のED治療薬の服用が難しい方、興味のある方は、医療機関で医師に相談してみましょう。アドバイスをもらい、適正に使用することで、より高い勃起状態維持効果を見込めるようになります。

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