即効性の高さが特徴のED治療薬であるレビトラですが、その知名度と歴史の長さを反映して多くのジェネリック薬が製造されています。ビリトラ(Vilitra)もそのようなレビトラジェネリックの一つで、インドで製造されています。有効成分も同じで、安価なレビトラジェネリックとして世界中に流通していますが、日本では未承認となっており、医師から処方されることはありません。今回はこの未承認のレビトラジェネリックであるビリトラ(Vilitra)について詳しく解説していきたいと思います。

ビリトラ(Vilitra)の詳細について

ビリトラ(Vilitra)はレビトラと同様のバルデナフィルを有効成分とするED治療薬です。レビトラのジェネリック薬であり、インドのグジャラート州に本社があるセンチュリオン･ラボラトリーズ社(Centurion Laboratories.)が製造販売しています。

20mgと40mgの規格を製造しており、安価なジェネリック薬として世界中で流通しています。しかし安全が担保されていないため、日本では承認されていません。そのため未承認の非正規ED治療薬という立ち位置になります。

ビリトラ(Vilitra)の詳細一覧

製薬会社	センチュリオン･ラボラトリーズ社　(Centurion Laboratories.)
有効成分	バルデナフィル
生産国	インド
国内承認の有無	国内では未承認

センチュリオン･ラボラトリーズ社(Centurion Laboratories.)について

センチュリオン･ラボラトリーズ社は、インドのグジャラート州(Gujarat)ヴァドーダラー(Vadodara)に本社がある製薬会社です。インドの製薬会社の中では歴史が比較的新しく、2006年に設立されました。主に抗生物質、抗アレルギー薬、勃起不全治療薬を中心に取り扱っています。

インドには他にも多くのジェネリック薬の製造メーカーが乱立しており、薬の規制に関する緩さを利用する形で多くの未承認ジェネリック薬が製造されています。

ビリトラ(Vilitra)を服用することのリスク

ジェネリックのED治療薬として日本の厚生労働省に承認されるためには、臨床試験などで安全が証明されたというデータが絶対に必要です。インドを中心に製造されているビリトラ(Vilitra)などのジェネリックED治療薬には、このようなデータがありません。そのため、安全性が担保されないため、承認することが出来ないのです。

また日本で承認された正規のED治療薬を購入するには、必ず医師の処方が必要です。これは効果が高い代わりに、一定の副作用のリスクもあるED治療薬の取り扱いについて厳格に定めているもので、ビリトラのような非正規薬は処方されることは絶対にありません。

このビリトラのような未承認の非正規ED治療薬は、インターネットでの個人輸入などによって流通しています。医師の処方が不要で、価格も安いことから、そのリスクを深く考えない方に人気があるのです。

しかし、ネットで購入する非正規のED治療薬には多くの危険が潜んでいます。大手製薬会社４社が共同で行った調査によると、インターネットで流通しているED治療薬のうち、その55%以上が偽物の偽造薬であったという報告があります。これは、効果が無いだけならまだマシで、中には重篤な副作用の危険があるような薬も多く存在します。

ビリトラもリスクの高さは同様で、この安全性を犠牲にした上に安い価格があることも、覚えておいてください。

未承認薬では国の救済制度を受けることが出来ない？

日本国内で厚生労働省に承認された医薬品を服用して、もし健康被害にあっても、国による救済制度を受けることが出来ます。これは「医薬品副作用被害救済制度」と呼ばれる制度で、治療費や被害にあった期間の仕事の補填などをしてくれる制度で、このような制度が整備されていることで、安心安全に投薬治療が行えるのです。

しかしこのビリトラのように、承認されていない非正規のED治療薬などは、その安全性を確認できるデータがありません。つまり未承認であり、服用することで健康被害にあっても、この救済制度を受けることが出来ないのです。

どのような治療薬にも副作用のリスクは存在します。そもそも副作用は効果が高い事の裏返しでもあり、多くの治療薬は医師の処方のもとに用法容量を守って服用すれば適切な効果を得ることが出来ます。そのような安全性を犠牲にしてまで、自己責任で未承認薬を利用することは、あまりに大きなリスクと言わざるを得ません。

ビリトラ(Vilitra)とレビトラの比較

薬名	ビリトラ(Vilitra)	レビトラ
有効成分	バルデナフィル	バルデナフィル
国内承認の有無	未承認	承認
製造国	インド	日本製もあり
効果	勃起状態の維持をサポート	勃起状態の維持をサポート
入手経路	インターネット通販など	医師による処方

日本国内でのレビトラジェネリックの販売開始

ビリトラ(Vilitra)のような危険性の高いレビトラの非正規ジェネリック薬が人気であったのには、ある理由があります。レビトラはもともとドイツのバイエル薬品が製造・販売していましたが、実は長期間にわたって安定した供給が出来ておらず、その後2021年11月に製造元のバイエル薬品が、販売中止のお知らせを公開しました。

このような正規のレビトラの供給が世界的に不安定だったことも、未承認のジェネリック薬が流通する理由でもありました。しかし、2020年7月に日本国内でも正規のレビトラジェネリックである「バルデナフィル錠」が販売解禁になりました。

このバルデナフィル錠は、オリジナルのレビトラと効果はほぼ同じで、価格はジェネリック薬のため安く抑えられています。多くの製薬会社も製造・販売を行っており、リスクの高い海外製の非正規未承認薬を利用する意味合いは薄れました。

ビリトラ(Vilitra)は未承認の非正規ジェネリック薬です！安全な正規品のレビトラジェネリックを利用しましょう

以上、インド産の未承認レビトラジェネリックであるビリトラ(Vilitra)とその服用のリスクについてご紹介しました。ご説明した通り、安価な価格は安全性の犠牲の上に成り立っているところもあります。効果が無いだけならまだマシな方で、生命に関わるような深刻な副作用の危険性もあります。

これまではオリジナルのレビトラの供給不安定が、未承認ジェネリック薬の人気の背景としてありました。しかし、2020年から日本国内でも正規のジェネリック薬の製造が解禁され、このような危険な ED治療薬を医療する意味もありません。わずかな価格差で健康被害を受けるリスクをとることは、どう考えても割に合いません。レビトラのジェネリックは信頼のおける正規製薬会社の正規ジェネリック薬を利用しましょう。