射精障害とは?早漏や遅漏について真剣に考える

薬を処方する医師

早漏や遅漏という言葉は、一般的に男性が性行為の際に射精するまでの時間が「長い」「短い」という
意味で使われます。なんとなくのイメージで使っている方が多いと思いますが、一応これらの症状は広義の射精障害と呼ばれる症状になります。今回はこのような早漏・遅漏を含めた射精障害についてご説明したいと思います。

早漏について

性行為を開始してすぐに我慢できなくなり、短い時間で射精してしまうことを「早漏」 と呼びます。
医学的な定義というのは明確にはありませんが、早漏と呼ばれる症状に関して悩みを抱えていらっしゃる男性は多くいらっしゃいます。「何分我慢できたか」といったような定義は無いため、あくまで早い遅いは個人の主観になりますが、世間的にに射精が早い事に対する良いイメージというものはあまり無いため、改善したいと考えている方も多いことでしょう。

パートナーがそのように思っていなくても、男性にとっては自尊心を傷つけられることの多い症状です。そのため、性行為に対してトラウマを抱えてしまったり、異性に対して積極的になれないなどの弊害が生じてしまうことも多くあります。これらの要因が複合的に関わり合い、ED症状が進行してしまうことがあります。

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早漏の原因

早漏の原因には大きく分けて、過敏性早漏・心因性早漏・衰弱性早漏の3つがあると言われています。

過敏性早漏

「過敏性早漏」とは、陰茎の表面に刺激が与えられただけで、すぐに射精に至ってしまう早漏のことです。通常射精する瞬間は、脳内でいわゆる絶頂を迎えた状態になりますが、そのような神経伝達を待たずに、表面的な刺激だけで反射的に射精してしまう早漏の症状です。

心因性早漏

「心因性早漏」とは、精神的なストレスやプレッシャー、性行為へのトラウマが原因で、直接的な刺激が無くても勃起状態や射精に至ってしまう早漏のことです。

衰弱性早漏

「衰弱性早漏」とは、加齢に伴い身体機能が衰えることで、射精にまつわる射精管閉鎖筋という筋肉も衰え、結果として射精を我慢することが出来なくなる早漏のことです。

早漏の改善方法

各早漏ごとの改善方法をご紹介したいと思います。出来ることから改善のきっかけにしてみてください。

過敏性早漏

過敏性早漏の場合には、やはりその反応の過敏さを何とかする必要があります。それを矯正するためのトレーニングを試してみましょう。ご自身で自慰行為を行う際などに、すぐ射精してしまわないようにするトレーニング方法です。

陰茎に刺激を与え、射精してしまいそうになったら一旦刺激を止めて、落ち着くまで待ちます。一度落ち着いたらまた刺激を与え、これを3回繰り返します。このようにして、過敏に反応してしまうことを矯正して訓練することで、実際の性行為の際に刺激に慣れ、射精を我慢することが出来るようになります。

心因性早漏

心因性早漏の場合は、やはり精神的なプレッシャーを克服することが重要です。力を抜きリラックスして性行為に臨むようにしましょう。過度な量でなければ、アルコールなどを摂取してから臨むのも良いでしょう。また可能であれば、パートナーの方とゆっくりと話合い、緊張感を取り払ってから性行為を開始できるようにすることも重要です。

衰弱性早漏

衰弱性早漏の場合、その原因は身体機能の衰えです。すぐに解決するような改善方法はありませんが、日常生活の中で筋トレなどのトレーニングを取り入れるようにしてみましょう。ご自身の体の筋肉を維持し、ED改善などにも有効な下半身のトレーニングを継続することで、身体機能の若返りを図りましょう。

遅漏について

早漏の逆で、射精に時間がかかってしまう症状を「遅漏」と呼びます。また一つの特徴として、自慰行為では普通に射精できるのに、性行為の場合は射精することが難しいという「腟内射精障害」という症状があります。

早漏の場合と違い、遅漏の場合には性行為のパートナーとの関係が悪化してしまうケースがあります。早漏の場合は、男性の一方的な射精が早い事がその症状ですので、パートナーの女性側は特に責任を感じることはありません。しかし遅漏の場合は、男性がなかなか射精できないという症状ですので、女性の方は「自分に魅力が無いからでは・・」といったような悩みを抱えてしまう人もいます。

逆に男性の浮気を疑って、関係が悪化してしまうこともあるようです。男性も辛い症状ですが、パートナーの女性も辛く、互いに相手を追い込んでしまうかもしれないリスクがあるのです。

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遅漏の原因

遅漏の原因にも、早漏と同じく心因性の要因があります。精神的なストレスや性行為のへのプレッシャーから射精が遅れてしまうことを指します。またその他にも、誤った自慰行為のやり方で、遅漏になってしまうケースもあります。

一般的に「床オナ」と呼ばれるような、男性器を床やモノに擦りつけるように刺激を与えたり、手で握る際にも強く握り過ぎてしまったりする自慰行為のやり方です。これらの方法は、強い刺激がポイントで、その強い刺激に慣れてしまうことで、女性器へ挿入した際の刺激が相対的に弱く感じてしまうようになります。その結果、通常の性行為では刺激が不足し、射精まで時間がかかってしまうようになるのです。

射精障害とは?

これまでにご紹介した早漏・遅漏の内容も含めて、性機能にまつわる障害のことを「射精障害」と呼びます。一人での射精というよりは、性行為の際の「膣内射精障害」に関するお悩みが多いことが特徴です。

パートナーとの性行為が上手くいかないことで発覚し、なかなか改善することも難しいため、その関係性にヒビが入ってしまうカップルなどもいらっしゃいます。個人の努力でどうにもならないケースも多いため、以下のような症状を感じた場合は、まず専門の医療機関を受診して、専門医師に相談してみることをお勧めします

射精障害の例

早漏性行為時に、我慢できずにすぐに射精してしまう症状
遅漏射精自体は可能だが、膣内でなかなか射精することが出来ない症状
逆行性射精外に射精するはずの精液が、尿道の逆流障害で膀胱側に射精してしまう症状
射精不能脊髄傷害等を含めた神経の問題で射精ができない症状

射精障害の治療・改善について

前述の通り、個人の努力ではどうにもできないケースも多々ありますので、症状や原因に応じて医療機関を頼るようにしましょう。

カウンセリング

原因が精神的なストレスやプレッシャーなどの心因性の場合、やはり心療内科や男性のお悩み専門のクリニックなどでカウンセリングを受けることが最善の方法です。医師のヒアリングから、原因を特定し、整理していきましょう。その中で導き出された改善策について、時間をかけて改善を目指していくことになります。

心因性の原因である場合、あまり酷い場合は性行為以外の私生活にも影響を及ぼし、辛い精神状況に陥っている場合があります。自分でも気づかないことがありますので、まずはカウンセリングを受けることから始めてみてください。

治療薬の服用での治療

射精障害の種類によっては、カウンセリングではなく、より具体的な投薬での治療が必要なケースがあります。この場合、専門の医師が診療を行った後、その状況に応じて最適な治療薬の処方がなされると思います。どのような治療薬が合うのか、またどの程度服用することで改善するのかなどは、担当医と相談しながら慎重に進めて行きましょう。

射精障害で悩む前にまずは相談を

今回は射精障害についてご紹介しました。このような障害は年齢問わず、誰にでも起こる可能性があるものです。特にパートナーとの関係に影響を及ぼす可能性がある場合、なるべく秘密のうちに解決したいと考え無理をしてしまう人や、放置してしまう人も多くいらっしゃいます。そして射精障害やEDなどの症状は、基本的に時間が経過するほど症状は悪化してしまいます。

逆に早めにカウンセリングや治療を開始したとして、身体に深刻な影響が出るようなことはありません。そのため、異変を感じた場合なるべく早めに専門の医療機関や男性のお悩み専用のクリニックなどへ相談するようにしましょう。